スレイヤーズ外伝 『シンデレラ』(前編)


はじめに:これはシンデレラがゼルガディスさん、アメリアさんが王子として登場します。
      実際にある話とはかなり異なりますが、ご了承の上、お読みください。


あるところにシンデレラと言う少女がいました。
「ちょっとシンデレラ〜、ご飯まだ〜?」
シンデレラの義理姉、リナです。
「そーよそ―よ、早く用意しなさいシンデレラ」
こちらもシンデレラの義理姉、ナーガ。
「〜・・・貴様ら!!人に食事食事と言うならば自分で掃除したらどうだ!?
それにオレはシンデレラではない!ゼルガデイスだ!!」
シンデレラ、かなり怒っていらっしゃいます。
「だってあんたこの話の主人公なんでしょ?主人公は『シンデレラ』って名前に決まってんのよ。」
「姉にいびられるのも相場よ。」
何を今更、と言う口調で2人の義理姉にゼルガディスは溜息をついた。
「ならば何故オレがシンデレラなんだ、シンデレラは女と相場が決まっているだろう?」
「アメリアが王女出身だから」
リナがさらっと、
「あたしはいびり役に向いてるってことで王女剥奪されたわ」
ナーガはあまり気にしていない口ぶりです。
「しかし・・・」
「シンデレラ―、いいかげん話進めようよ―このままじゃゼル、あんた一生シンデレラよ?」
「くっ・・・」
「ゼルガディス―っ」
台所の向こう側からいかにも人の良さそうな声が。
出てきた姿は女装ですが・・・似合いません。
「ある程度掃除終わったけど、料理はお前に任せていいか?腹ぺっこぺこでさぁ」
「ちょぉっとガウリィ!?あんた・・・なに手伝ってんのさ・・・」
呆れ顔でリナが自分の親であるガウリィに問いました。
「え?だってオレがいじめ役できると思うかぁ?ゼルガディスかわいそうじゃん」
「あんたの良い人っぷりはここでも出るのね・・・」
リナが頭を抱え込みました。
「そんなことどうでも良いからご飯よこしなさい」
ナーガが机の上にある皿に両手のフォークとスプーンでカンカンとあてて言いました。
その時、
「すみませーん、配達です」
門のほうから配達屋さんの声が。
「オレが行く」
ガウリィが門へ向かい、帰ってきました。
「城からの招待状だ」
『招待状:この度、後に我が国の王となられるアメリア様の婚約相手を選出するべく、
パーティーを開くことを決定致しました。
日時は以下の通りです、若い女子に問わず老若男女、ぜひご参加ください。』
「パーティー・・・っってことは、食べ物もちろん出るわよね!?」
「ローストチキン出るわよね!?」
「お前らの重点はそこか!?」
ゼルガディスの素敵な突っ込みです。
「これは行くしかないわね・・・」
「ローストチキン、チキンパイ・・・魚のソテー・・・フフフ・・・」
「諦めろゼルガディス、二人は必ず行くつもりだ」
「オレは行かんぞ・・・」
「誰もあんたは誘ってないでしょゼルガディス、残念だけどあんたはここに残る義務があるもの」
「そこの金髪、あんたは行く義務があるわよ」
「はぁ・・・まぁ、食いもんがあるなら・・・」
「じゃ、決まりね!!ふむふむ、パーティーは明日の7時ごろか。あ〜明日が楽しみねvv」
リナとナーガははしゃぎにはしゃぎ、ガウリィは椅子でひとときの休憩。
シンデレラは食事の準備を始めました。

そしていよいよパーティーです。
「ゼル―、あんた魔法使い来たら素直にお姫様になんなさいよ」
「・・・わかっている」
「パーティー会場でアメリアと踊るのよ」
「・・わかっている・・・」
「じゃぁオレ達そろそろ行くな」
「さっさっと行け」
「「「行ってきまーす♪♪」」」

やっとこさ(?)一人になったシンデレラ。
お父さんが亡くなられてから初めて向かえた一人の夜です。
「ふぅ・・・」
ソファに腰掛けくつろぎます。
リナ達がいるとすぐ色々要求してきていたのであまりソファには座れませんでした。
だんだん・・・今までの疲れのせいか、眠くなってきました。(眠る間が無いほどしごかれていたわけではありませんが)
うとうとしかけたその矢先に
「寝るとパーティー行けなくなりますよ?」
魔法使いゼロスの登場です。
眠かったこともありますが、シンデレラの間合いに気づかれず来れるとはさすが魔法使い!
「好きで行くわけじゃない、むしろ・・・行きたくない」
「良いんですかぁ?別にボクは困りませんけどアメリアさん純粋でかわいらしいですからねぇ。
婚約者になりたい人たくさんいるんじゃないですか?」
「なっ・・・!!?(///)お、オレはそれが目的で行くんじゃない!!早く物語を終わらせたいだけだ!!」
「まぁまぁ、そんなに怒らなくても。どの道あなたは行くんでしょう?パーティー」
「行かないと終わらないからな」
「はいはい、それではこれから言うものを取ってきてください」
ゼロスは鼠4匹、かぼちゃひとつを用意させました。
「台本と全然違うぞ」
「かぼちゃは合ってますよ?」
「もう良い、早くやれ」
「それでは、そーれ♪」
何処か少し狂い気味な魔法使いさんは用意されたものを馬車と馬車の運転者2人、馬を4匹に変えました。
「おかしい・・・数的に矛盾している・・・!!」
シンデレラは苦悩の悩まされています。
「そんなこと気にしていては体が持ちませんよ、さ、あなたも変身しましょう」
魔法使いが杖をシンデレラにポンっとあてるとシンデレラは超絶美少女に変わりました。
「似合ってますね」
ゼロスの素直な意見です。
「・・・」
シンデレラ絶句・・・。
「では行ってらっしゃい♪」
シンデレラは馬車にのって城へ向かいました。


《続》



ゼルガディスさんは顔立ちが良いので似合うのでしょう・・・。
仕方ありません。(笑)



スレキャラ同盟のお祝いとして頂きました。
あす、素敵な作品ありがとねvv


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