最遊記&ちな外伝 『タイムスリップ』


◇最終話◇

「あ、あの・・・ありがとうございました。」
あたし達はジープに乗って別の町へと向かっていた。
あたしを攫った妖怪はと言うと、三蔵さん達が見事に倒してくれた。
魔界天上は、あの時はじめて見たけど信じられないほど、今の科学とかじゃ説明できない不思議な力だった様に思う。
「家々、もとはと言えば僕達といるから危ないめにあったんです。お礼を言ってもらうようなことじゃありませんよ」
「けどよ〜、これからまたアンなことが遭ったらどうするよ?毎回毎回こんなんじゃぁ知奈もたねぇんじゃねぇ?」
「大丈夫!俺が守ってやるから!!」
「てめぇはあてになんねんだよ。目の前に飯があったら知奈置いて一人で食いに行くだろ。
飯に釣り竿が付いてても気づきそうにねぇし。」
「なんだとぉ!?俺はそんなに馬鹿じゃねぇ!!」
「現にほら、釣り竿でアンパン釣ればそれ追いかけて暴れてるじゃねぇか。」
「腹が減ってんだよ!!」
「ええい!煩い!!!車ん中で暴れるな!!撃ち殺されてぇのか!?」
「三蔵・・・後ろには知奈さんも乗ってるんですから打たないで下さいね―。」
「・・・・・・。(・・;)」
なんて元気なんだろうと思う。
さっきまで妖怪達と戦っておきがら。
あたしのところへ来た時、多少汚れていた服を見るからに、戦ったんだろう。
その後でこんなに元気なんて・・・。(汗)
「でも三蔵、悟浄の言うとおり、このままでは知奈がまたいつ危険になるか分かりませんよ。」
「だから俺が守っ・・・」
「黙れ。」
「かといって何処かに街に置き去りにするのも良くないですしねぇ。」
「三仏神が連れて行けと言った。言われた以上連れて行くしかない。」
「でも何故ボク達なんでしょうねぇ。ただでさえ危ないのに。」
「俺達じゃないと・・・行けない理由・・・?」
それはあたしも考えていた。三仏神さんとは小泉さんのような位の人だと言う。
普通、異世界から来たあたしをこんなに当たり前に街中を歩かせるだろうか。
妖怪に遭わせるだろうか。
「僕達・・・ではなく・・もしかすると・・・」
「なんだ八戒。」
「僕達が特別に何か持っているとすると、僕と悟空が妖怪、悟浄が半妖、
そして三蔵が法師である事と・・・。」
「魔天経文を持っていることか?」
「ええ、そうです。普通異世界から人が来るなんてことはなかなかありえません。
しかし牛魔王をも蘇らせることが出来る経文には未知の力があります。」
「だから・・・なんなんだ?」
悟浄さんと悟空さんの目が点になってます。(笑)
あたしもだけど。(汗)
「もし経文を使うことで次元をゆがますような力があるとしたら・・・。」
「じゃぁなんだ。俺が経文を使ったことによって次元がゆがんだということか?」
「かもしれません。」 
「まぁ・・・ありえない話でもないがな。」
「ちょ、ちょっと待てよ・・・それってつまり三蔵が経文使うと知奈が移動するってことだろ。」
「さっき・・・三蔵が経文使ったよな・・・?」
三蔵さん、悟空さん、八戒さん、悟浄さん。みんながあたしを見た。
あたしも自分を見ると、左手の小指が消えかかっていた。
「次元がゆがんだのかな・・・?」
悟空さんの顔が曇った。
「でしょうね、急ですが・・・。」
「なんかスッゲー早くねぇ?」
「といっても消えるのが遅い。このペースだと今日の夜あたりだぞ。」
「後数時間ですか・・・。」
「・・・。」
あたしは、正直、困惑していた。本当にもう・・・帰れるの・・・?
「お、俺今日知奈と遊ぶ!別れるまで遊ぶ!!知奈、遊ぼう!!?」
「えっえ?で、でも・・・。」
あたしは三蔵さんたちを見た。
「良いんじゃねぇ?ガキ遊ばせてヤロウや。」
「そうですね、旅費にも余裕が無い訳じゃないですし。」
「ふん、勝手にしろ。」
こうしてあたしは夕方から夜にかけて悟空さんと遊ぶことに決定した。

泊まった街はわりと大きな街だった。
道端で芸をしている人なんかもいて楽しかった。
「なぁなぁ、知奈!このりんご菓子みたいで美味いぞ!!」
「本当?・・・アッ本当。なんかクリームみたいなの入ってるね♪」
あたしの左手はすでに半透明になっていた。物が掴めないわけではなくて、
透き通った手に・・・、ああ・・・説明できなひ・・・。(涙)

夜になるとあたしは本来の私服に戻った。ここに来る前の服だ。
体の半本が透き通っているのはすごく不思議な気持ちになる。
「もっと色んなところ行きたかったな〜。」
「仕方ないですよ悟空。この状態で外へ出ると不信がられるでしょう。」
「う〜・・・。」
「ごめんね悟空さん。」
「知奈が悪いんじゃないよ・・・。」
しゅんとしている悟空さんは犬みたいで可愛かったv
身長はわたしの方が低いけど・・・。(−−;)
「分からないことだらけのままおくってしまうのは申し訳ありませんでしたねぇ。」
苦笑して八戒さんが言った。
「い、いいえ!優しくて下さってありがとうございました。」
服の用意とか、食事とか、身の回りのことを手伝ってくれたのは八戒さんだった。
「ま、また来いや。」
悟浄さんがにっと笑った。
「ハイ・・・でも・・・出来れば来たく・・・無い、なぁ・・・。(^^;)」
悟浄さんはあまり真面目という言葉が似合わない人だった。
毎日好きなことしている気ままな人・・・見ていて飽きない人だった。
「今まであったこと、あまり異世界の奴には言わない方が良いと思うぞ。」
三蔵さんはいつも正しい意見をくれた。
「はい、変な人だと思われたくないし、あたしだけの思い出です。」
「俺達だって覚えてるからな!知奈のこと!!」
「・・・ありがとう悟空さん。」
悟空さんはいつも、太陽みたいに明るかった。
一緒にいると嬉しくて、楽しかった。
みんなと別れるのは悲しいけれど、さよならしないともといた世界の友達にも会えなくなってしまう。
あたしがここにいたいと願っても叶うものではないけれど。
まるでみんなとの別れを言い終えるのを待っていたかのようにわたしの体が全て消えだした。
「本当に色々・・・ありがとうございました・・・。」
今にも消えるかと思ったその時・・・
「知奈、これ・・・!!」
悟空さんがわたしの手に何かを置いた。

気づけばそこはわたしの部屋を出た廊下だった。
「は・・・はれ?」
あたしは何も覚えてはいなかった。
ただ・・・なんとなく、4人の誰かが・・・記憶に残っているだけ。
いつか・・・思い出せるかな・・・なんてお思う。
手には肉マンがあった。
何故あるか分からなかったけど・・・食べた方がいい気がしたから、
あたしはひとまず、肉まんを一口、口に入れた。

《終》


ごめんなさい!原型なってないし、ストーリー展開早いしで、面白くなかったね・・・。(汗)
読んでくれてありがとうでした♪♪
わたしは修行が足りませんね・・・(−−;)



聖空 飛鳥サマより。
あたしを主人公に…なんて、無理なお願いしちゃってごめんね↓↓
それでもこんな素敵な作品に仕上げて下さって…本当にありがとうございました!!


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