この先に待つもの
―――コンコン。
リナ:・・・はい。誰?
アメリア(以下アメ):アメリアです!
シルフィール(以下シル):シルフィールです。入っても宜しいですか?
リナ:どうぞ。入って良いわよ。
―――カチャ。
アメ:・・・うわ〜っっ!リナさん綺麗です〜〜w
リナ:そ、そう?・・・ありがと。
シル:どうぞ。この度はおめでとうございます。
リナ:すっごい大きいわね、この花束。置くところが無いじゃない
アメ:あ、それ。父さんからです。
リナ:・・・・あ、そ。
シル:でもリナさん?どうして紅、なんですか?
リナ:え?
アメ:そうです!普通は白かピンクって決まってるのに!
リナ:あ、ああ。これ?実は・・・
―――バタンッ!!
ルナ:リナちゃんっ!!
リナ:うきゃあああああっ!!
ルナ:あら。大げさね。何も机の下に隠れる事無いでしょう。
アメ:リ、リナさん・・・
ルナ:・・・・・出てらっしゃい?
リナ:はいっっ!
ルナ:まあ。お返事だけは良いのね、リナちゃんってば。
リナ:あ、あのっ!何でしょうかっ!!
シル:リナさん?あの・・・
ルナ:初めまして。この子の姉のルナ=インバースです。よろしく。
シル:は、はい・・・
ルナ:そんなに驚かないの。貴女にね、会いたいって人がいたから連れてきたのよ。
リナ:・・・・・・へ?
ルナ:ほらっ。こっちよっ。
アメ:・・・・なんだかすごく機嫌悪そうですね。
シル:・・・・はい。
ルナ:全く!どうしてこの私があんた達なんかを案内しなきゃいけないのかしらっ!
ゼラス(以下ゼラ):ふんっ!あたし達だってあんたなんかに案内されたくないね!
ルナ:何ですってぇ!?人が折角案内してあげたって言うのに!これだから魔族って嫌ねえ。
ゼラ:頼んだ覚えは無いよっ!道さえ知っていればあたし達で来たんだから!
ふん。やっぱり仕えているものが落ち目だとその臣下も落ちぶれて来るんだねえ。
ルナ:何よっ!
ゼラ:何か文句あるのかい!?
シル:あの、リナさん。これって・・・!?
リナ:・・・あたしに聞かないでくれる?
ダルフィン(以下ダル):あらあら。喧嘩は駄目でしてよ?お二人とも。
ゼラ:ダルフィン!あんたも何か言ってやんなっ!
ダル:・・・何か?言ってもよろしいんですの?
ゼラ:ああ!好きに言っておやり!
ダル:分かりましたわw
リナ:・・・・
ダル:こんなめでたいお席で、しかも主役の目の前で喧嘩するだなんて愚かにもほどがありますわね、お二人とも。
大体、もう少し落ち着かれたらいかがですの?こんな事では我が主に何かあった時に困るじゃありません?
はあ。先が思いやられますわ。
ゼラ、ルナ:・・・すいません。
リナ:・・・・あ・・・え〜と。・・・誰?
ダル:ほら、ゼラス。初対面なのですから挨拶をしませんと。
ゼラ:ああ。初めまして、リナ=インバース。あたしは獣王ゼラス=メタリオム。
リナ:・・・・はい?
ダル:私は海王ダルフィン。どうぞお見知り置きくださいませ、リナ=インバース。
リナ:・・・・・・はえええええっ!?
シル:グレータービーストとディープシー!?
アメ:う・・・うそっ!
ルナ:残念ながら!本当です。アメリア陛下。
リナ:はあ・・・。で、何の用ですか?
ゼラ:ああ、それは勿論お前達を祝う為だよ。
リナ:あ、ありがとうござます・・・。
ルナ:それより!どうしてゼフィーリアでしないの?父さんも母さんも楽しみだったのよ。
こんな遠くにはお店持ってこられないから二人は留守番してるけど。
リナ:あ、ああ。あの・・・嫌がっちゃって。ゼロスが。
ルナ:ど〜して!?
リナ:その・・・「赤の竜神の騎士がお住いの所でなんて絶対に嫌ですから!どうしてもって言うならリナさんを混沌に連れて行ってそこでします!」って言って・・・・。
ルナ:・・・・・・へ〜?そう。ふ〜ん・・・・・・。
リナ:・・・・・・・。
―――コンコン
リナ:・・・はい?誰?
ゼル:俺だ。時間だぞって・・・・。
リナ:?どうしたの?
アメ:・・・・・・・・・・・・・・・ゼルガディスさんっ!
ゼル:え!?あ、いや・・・・その!!
ルナ:綺麗だから見惚れてらっしゃったのよ、王は。
リナ:・・・えっと、ありがとね、ゼル。
ゼル:・・・あ・・・・ああ。
アメ:全く。・・・時間みたいですからどうぞ、リナさん。
ルナ:エスコートは私がするわ。
リナ:ありがと、ね〜ちゃん。
シル:あ、待ってください!お二人を呼んできますわ。
アメ:そうですね。こんなにお綺麗なんですから。見せないともったいないですw
―――数分後
シル:お連れしましたわ。
ガウリイ(以下ガウ):何だ?シルフィール。
ゼロス(以下ゼロ):こんなところに呼び出してって・・・・リナさん!?
リナ:・・・・うん。あの・・・・・・うきゃっ!?
ゼロ:素敵ですw可愛らしいですw愛してます〜〜〜w
ガウ:ゼロスだけずるいっ!俺も俺も〜〜w
リナ:・・・・ね〜ちゃん。
ルナ:任せておきなさい。
ゼラ:・・・何をしてるんだい?ゼロス。
ルナ:いちゃつくんなら後でお願いね?ガウリイ君。
ゼロ:ぜっ、ゼラス様っ!!
ガウ:はいっ!!ルナさんっ!
アメ:さ!そろそろ始めましょう!!皆さん待ってます!
??:おーほほほほほほほほほほほほほほ!
ゼル:・・・なんだあの場違いな雄叫びは。
ナーガ(以下ナー):失礼ね!高笑いと言って頂戴!
リナ:・・・・何の用?今日はあんたに構ってる暇は無いのよ。
ナー:ふっ。分かってるわよ。今日はただ単に式を見に来ただけよ。
リナ:・・・・珍しいわね。
ナー:ふっ。いつもいつも私が貴方の後を付いて行って勝手に依頼を取ってきた挙句に結果的には損するような事ばかりすると思わないで欲しいわねっ
リナ:・・・だって事実だし。
ルナ:リナちゃん?その超生意気そうでセンスがダサダサでいかにも弱そうなのはどこのどなた?
リナ:あ?これ?金魚のうんちのナーガ。
ナー:・・・・・ふっ。私には白蛇のナーガという立派な名前があるのを忘れたのかしらっ!?
一同:聞いた事ない。
リナ:・・・あ〜・・・そだっけ?
ナー:・・・・・・ふっ。私の魅力が分からないなんて!かわいそうな人達ねっ!
ゼラ:よかったねえ。私達は幸せ者で。
ダル:ええ。本当に。
ゼロ:まあまあ。あんな変な人は放っておきましょうw
ガウ:そうそうw今日は俺達にとって特別な日だしなw
ルナ:ほらほら!早くしないと日が暮れちゃうわよ!
リナ:そうね。さっさと始めましょう!
―――リーンゴーン
アメ:おめでとうございますっ!
シル:おめでとうございます!
ルナ:三人とも幸せにねw
ゼラ:それにしても魔族と人間が結婚ねえ・・・
ダル:あら?もうあれは魔族ではありませんわ。あの方が直々に追放されたのですもの。
ゼラ:そうだったね。あの方の気まぐれにはいつも驚かされるよ。
ダル:ええ。それにこれはあの方がお望みになった事です。そう言えば、ダイナスト達は?
ゼラ:ああ。魔竜王と冥王は滅ぼされちまったし。覇王は情けなくて出て来られやしないだろうよ。
ダル:我らが赤眼の魔王様は中々お目覚めになられませんし・・・。
ゼラ:全く。情けないったらないねえ。
ルナ:所詮は魔族がする事ですしね。
ゼラ:なんだって!?もう一回言ってもらおうか!!
ルナ:何回だって言って差し上げましてよ!!
ダル:あらあら・・・お二人とも、しょうがありませんわね。
ナー:おーほっほっほっほっほ!こんなおめでたい日をより一層おめでたくする為に、ここは一つ私の召喚術で・・・
リナ:ナーガお願い止めて。
ナー:おーほっほっほっほっほ!・・・・・リナってばひど〜い
リナ:誰がだ。誰が。
アメ:あ!ゼルガディスさん!さっきリナさんに見惚れてたでしょう!
ゼル:あ、いや、あれはだな・・・
シル:まあまあ、お二人とも・・・
ガウ:・・・・なんか・・・主役そっちのけで皆喧嘩してるぞ?
リナ:・・・今日はあたし達三人の結婚式なのにね。
ゼロ:その紅いウエディングドレス、似合ってますよ。ね、ガウリイさん。
ガウ:ああ。よく似合ってる。
リナ:え?ああ、ありがと。二人もよく似合ってるわよ。黒と白のタキシード。
ゼロ:・・・リナさん。
リナ:え?何ゼロス。
ゼロ:これから先いろんなことがあると思います。
ガウ:楽しい事も悲しい事もな。
リナ:?うん。
ゼロ:でも、何があっても貴女だけは護りますから。
ガウ:だから、ずっと俺達と一緒にいて欲しいんだ。
リナ:・・・・っ・・・・・・・!
ゼロ:リナさん?返事は?
ゼラ:そっちこそ竜族だかなんだか知らないけど!トカゲに羽が生えて巨大化しただけのくせにさ!生意気なんだよ!
ルナ:何ですって!?なんだかよく分からない気体みたいな存在しててよく言うじゃないの!!
ガウ:ル、ルナさん?
ゼロ:・・・・・ゼラス様・・・
アメ:リナさん!この人何とかしてください!
ナー:おーほっほっほっほっほっほっほっほ!!私の召喚術、やっぱりご披露させて頂くわ!!
リナ:ナーガっ!?
ゼロ:・・・・・・逃げましょう。
ガウ:・・・そ〜だな。
リナ:だあああっ!
ガウ、ゼロ:早く!
一同:待てええっ!!
リナ:・・・・護られるだけじゃなく、あたしも護ってあげたいわ。今も、これからもずっと・・・ガウリイ・・・ゼロス・・・
〜〜END〜〜
■作者サマより。
「魔性の瞳」番外編第3弾です。
書き終わってみたらギャグで、しかも題名と全く関係ない無いようになってしまったんですが。
たまには(いつも)こう言う事もあるさ、と思いながらお送りさせて頂きました。
読んで頂いてありがとうございました。
めぐみサマより。
素敵な作品ありがとうございました。
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