Northern Light 1


ワアアアアアアアァァァっ!!!!!!!!!!

会場が、荒れ狂う波のように騒がしくなる。
「じゃあ頑張れよ、蓮」
「絶対死なないでね」
その中、蓮やホロホロ、まん太や竜、、ファウスト達が、チーム「THE蓮」
のなごり惜しみをしていた。
「まだ俺たちの番は来んのだ。今なごり惜しんでどうする?」
「おい...」
思わず突っ込みを入れようとするホロホロだが...

≪まずは X−vs 星組だああっ!!!!≫

その名に、思わず反応する一同。

≪ついに!!ついに因縁の対決の日がやってきた!!!!果たして
X−、長年の夢を叶える事ができるのでしょうか!!それとも!
やはりハオが優勝するのでしょうか!!?≫

「メイデン様。この無礼者の言葉、お気になさらぬよう」
「いいのです、マルコ。確かに、私たちはハオを倒すために作られたグループ。
しかし,もうグループではなく、X−LAWSは皆仲間。私のために散った仲間の血
無駄にするわけには行きません。必ず、ハオを倒すのです」
「...このマルコ、感激の極みにございます...!」
感動か、気持ちが抑えられないのか、マルコの頬を一筋の涙が伝い落ちる。
「分かりました、メイデン様。このマルコ、必ずやそのお言葉、果たさせて
見せます」
「―何をごちゃごちゃ言ってるんだ?」
ハオが声をかけるが、完全に、無視。
「ったく。さて、メイデンとやら。君は僕を倒す自信が相当あるみたいだけど、
ためさせてもらってもいいかな?」
「メイデン様は、お前のような小汚いガキとお言葉を交わすほど、
甘いお方ではない」
マルコが冷たく言い放つ。
「ふーん...あ、そうだ。こっちはメンバーチェンジ。ラキストの変わりに、
こいつを入れたから」
にっ、と、ハオが口の端に笑みを作り、マントを目深までかぶった男を指差す。
「変わろうが変わらまいが、勝つのは我々だ」

≪ううんっっ!!!もう火花が燃えてるぜ!!!それなら始めるか
シャーマンファイト!!≫

会場のざわめきが少しずつ収まっていく。

≪レディー≫

ざわめきが消える。まるで、何もない雪原のように。
マルコ、リゼルグが構える。
と同時に、オパチョがリングの外に出る。

「なんだよ、あいつ...」
ホロホロが、つぶやく。
「外にでねえのか、あのマントの男?」
「何か、役割があるんじゃねぇのか?」

≪GO!!!≫

「ミカエル!」
「モルフィン!!」
ばっ、と二つの持ち霊が、ハオに向かって突き進む。
するとハオはオラクルベルを取り出し、霊の巫力を図り始める。
〔モルフィン・・・・3500
〔ミカエル・・・・12000
「なんだよ、小っちぇえな。葉、お前相手してやってくれ」
『え...?』

しゅふぁっっっ

何の前触れもなく、ミカエルの体の三分の一ほどが、消える。
巨体が、その場に崩れ落ちる。
「ミカエルっ!?」
「何だ、弱いじゃん」
あっさり言った葉は、冷ややかな目でマルコを見下す。
「葉君っ?本当に葉君なの!?」
「ああ。そんでこいつは、俺の持ち霊、スピリット・オブ・ウォーター」
何の感情もなく、言葉をはき捨てる。
「...うそだっ!モルフィン!!」
彼はダウジングを葉に向け、発射させる。
「うそなんでしょ!?葉君!!」
その悲鳴に似た声は、会場の蓮達にも聞こえた。

「なっ...?葉...!?」
「今、リゼルグのヤツ、葉って...」
皆が驚愕する中、シルバが現れた。
「蓮君っ!アンナちゃん!」
「何だ、十祭司よ?」
「オラクルベルで、葉君の巫力を見てみるんだ!」
「...?」
ピピッ
≪スピリット オブ ウォーター ・・・・90万≫
「な、何だこりゃあ!!?」
「葉の巫力が...90万だとっ!?」
「それより、スピリット・オブ・ウォーターって...葉君の持ち霊は...」
まん太が、阿弥陀丸を見上げる。
誰もが、押し黙ってしまった空間。
「葉は...」


「簡単だったよ、葉の巫力を上げるのは、ね」
「葉君に何をしたのっ!?」
「別に、何もしてないよ」
相変わらず笑みを浮かべたまま、答えるハオ。
「さあ、もうミカエルは使えない。勝負しようよ、アイアンメイデン」
「貴様っ...」
「マルコ。
―分かりましたわ。リゼルグは、麻倉葉の相手をしていなさい」
そして、メイデンが一歩前に出る。
「汚れたあなたをこの世界から消せるのは、この私だけ。
お望み通り、あなたを地獄へと突き落として差し上げます」
「...そうこなくっちゃ。面白くないよ」
にこっと満面の笑みで答える。
「じゃあ葉、君はあの男の子の相手をしててね」
「いいけど、このマント、とっていいか?動き辛くて」
「...まあいーや。どうせ、みんな知ってるんだし」
言われたとおりに、マントをはずす。
そこから現れたのは...紛れもなく葉だった。
服装も、彼のトレードマークのヘッドホンも...何もかも。
ただ唯一の違いは、彼の、瞳と持ち霊。
感情のない、読み取れない、瞳。
阿弥陀丸ではない、別の持ち霊。
いつものように、笑っていた瞳ではなく、虚ろをたたえ、まるで、
なんの思いも感じないような。
「葉君...」
「悪ぃな、リゼルグ。こんなことになっちまって。でも、戦いは戦い」
すうっと、どこからともなくS.O.Wが現れる。
「本気で行かせてもらう、な」

〜NEXT〜



水葉サマにいただきました。
…続きもいただいておりますので、皆様そのまま第2話へどうぞv



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